監修者:河井恵美さん(助産師・看護師)
生理痛がつらいという人は、毎月の生理期間が憂鬱で仕方がないですよね。鎮痛剤を飲んだりピルをもらったり、医者に相談することも生理痛の解決策のひとつですが、「自分でもケアできる方法はないかな?」「少しでも生理痛を緩和できる簡単な方法はないかな?」と思う方もいるでしょう。
実は、ルイボスティーを飲むことで、生理痛の緩和が期待できるのです。ルイボスティーは雑誌やTVでも取り上げられている人気の飲み物。「老化に効く」や「血管に効く」といった情報を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
本記事では、ルイボスティーが生理痛に効果的な理由やルイボスティーの副作用について詳しく説明しています。
目次
生理痛とはどのような症状か?
生理痛とは、一般的に生理期間の、特に生理期間初期の時期に感じる「下腹部の痛み」のことです。
女性は生理になれば、ほとんどの人が下腹部の痛みを感じますが、程度は人それぞれです。立ち上がれないほどの痛みを感じる人もいれば、軽い痛みしかないという人もいるでしょう。さらに、生理にともなう症状としては、吐き気や頭痛、精神的なイライラや食欲不振などもあげられます。
生理痛の原因はなにか?
生理期間の「下腹部の痛み」が主な生理痛の症状ではありますが、生理痛の原因は何なのでしょうか?生理痛がルイボスティーに効果的である理由を説明する前に、まずは、生理痛の原因について知っておきましょう。
生理中に分泌される「プロスタグランジン」物質が生理痛の原因
生理痛の主な原因といわれているのが、「プロスタグランジン」という物質です。「プロスタグランジン」は生理中に分泌量が増える物質で、生理の経血を外に出すために子宮の収縮を促す役割があります。
生理中の女性であれば誰でも「プロスタグランジン」の分泌量は増えますが、分泌量が増えすぎると子宮の収縮がひどくなり、下腹部の痛みなどの生理痛につながってしまうのです。「プロスタグランジン」は子宮の収縮を促して、生理痛の痛みを引き起こすだけでなく、血管を収縮させる作用もあります。そのため、「プロスタグランジン」の分泌量が増えると血管が収縮し、子宮周りの血流が悪くなって生理痛の痛みが強くなってしまうのです。「プロスタグランジン」は、胃を収縮する働きもあるため、生理の時に吐き気がするというのもこの物質が原因です。
ストレスなどが原因のホルモンバランスの乱れ
仕事の忙しさから睡眠不足になったりストレスが溜まったりしていませんか?不規則な生活習慣やストレスは、ホルモンや自律神経バランスを崩す原因となり、身体の血行不良につながってしまいます。身体の血行不良は、子宮周りの血流を滞らせて生理痛を悪化させる要因となります。つまり、日頃の不規則な生活習慣やストレスが、生理痛をひどくしているということです。
生理中は、なるべく睡眠をしっかり取って、ストレス解消するためにリラックスタイムを作り、普段以上に身体をしっかり休ませる意識を持つことが大切になります。
冷えが原因の血行不良が生理痛をひどくする
「女性は身体を冷やさないように」とよくいわれていますが、冷えが生理痛を悪化させる原因になっている可能性があります。冷えの原因は、ストレスや緊張といった精神的なものから、外仕事や薄着といった身体的なものまで色々あります。長時間デスクワークを行うせいで、身体の血流が悪くなって冷えにつながることもあるでしょう。原因が何にせよ身体が冷えると、子宮周りの血流が滞って、生理痛が悪化してしまう可能性があリます。
生理中は、冷えを予防するために厚手の靴下を履いたり腹巻をしたりして生理痛を少しでも和らげるように工夫してみてくださいね。また、身体が冷えてしまったらお風呂にゆっくり入って身体を温める、ストレッチやヨガをするなどして、血行不良を解消すると良いでしょう。
子宮や卵巣の病気が隠れていることも
子宮や卵巣の病気が原因で、生理痛がひどい場合もあるので注意しましょう。病気が原因でひどい生理痛があることを「器質性(続発性)月経困難症」とも呼びます。
生理痛がひどくなる原因を引き起こす病気としては、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などがあげられます。生理痛の症状の他にも経血量が多いといった症状をともなうこともあるため、毎月の生理に気になる点がある人は、専門医に相談するようにしてくださいね。
ルイボスティーが生理痛に効くと言われる理由
ルイボスティーは、紅茶や他のお茶よりもミネラルが多く含まれていて、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。他にも身体の老化の原因となる活性酸素に対抗する抗酸化作用など、色々な効果が期待できるのです。
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ルイボスティーの健康効果はたくさんあることが知られていますが、ルイボスティーは生理痛に効くといわれています。ここからは、「生理痛がルイボスティーに効く理由」について紹介していきたいと思います!
ミネラルを含みホルモンバランスを整える
ルイボスティーには、カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・亜鉛・銅などのミネラルが含まれています。
身体にミネラルが不足すると、ホルモンバランスが崩れて身体の血行不良につながってしまいます。そして、身体の血行不良は、子宮周りの血流を滞らせて生理痛を悪化させる要因となってしまうのです。生理中に、ルイボスティーを飲んでミネラルを補うことで、穏やかにホルモンバランスを整えて生理痛を和らげることができます。
ストレスを軽減してリラックスさせる
ルイボスティーには、「フラボノイド」と呼ばれる成分が含まれています。「フラボノイド」はストレスを抑える効果があるといわれている成分です。日々のストレスは、身体の血行不良を引き起こし、生理中の子宮周りの血液を滞らせて生理痛を悪化させてしまいます。さらに、ストレスによって自律神経が乱れやすくなり、身体の冷えも引き起こすのです。
ストレスを抑える効果のある「フラボノイド」成分を含むルイボスティーを飲めば、乱れた自律神経の働きを整えることができるかもしれません。自律神経の働きを整えることができれば、血流が良くなるため、身体の冷えも緩和して生理痛の軽減が期待できるのです。ルイボスティーはノンカフェインなので、寝る前のリラックスタイムに飲むこともできますよね。日々のストレスの緩和のために、生理期間には意識してルイボスティーを飲んでみてはいかがでしょうか。
ルイボスティーを飲みすぎることでリスクはあるのか?
「ルイボスティーを飲むとこれだけ身体にいい効果があるのは嬉しいけど、副作用もあるよね?」と心配になった人もいますよね。ルイボスティーの副作用を心配している人への朗報ですが、ルイボスティーは効果が穏やかである分、副作用もほとんどないといわれているのです。
ノンカフェインでミネラルを含み、抗酸化作用やリラックス効果も期待できるルイボスティー。飲み過ぎの副作用がほとんどないとは、本当にすばらしい飲み物ですね。ただ、ルイボスティーにはミネラル(カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・亜鉛・銅)が含まれているので、ミネラルの過剰摂取には注意が必要です。
といっても、毎日500ml(コップ2~3杯)程度であればミネラル過剰摂取に陥ることはまずないでしょう。ミネラルは体内で作り出すことができない成分なので、不足している日本人の方が圧倒的に多いからです。
ミネラル過剰摂取を注意しなければならない人は、ミネラル(カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・亜鉛・銅)のサプリメントを飲んでいる人でしょう。日々サプリメントを摂取している人は、さらにルイボスティーを大量に飲むことで、ミネラル過剰摂取を引き起こす可能性もあります。
ミネラル(カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・亜鉛・銅)を過剰摂取するリスクについては、以下で説明していきます。ちなみに、ルイボスティーを飲んでいてミネラル過剰摂取が起こることはほとんど考えられませんが、思い当たる症状があれば、すぐに病院で診てもらうようにしてくださいね。
また、ルイボスティーが身体に合わない一部の人は「下痢」や「肌荒れ」といった症状を起こす人もいるようです。これは「ルイボスティーだから」という理由ではなく、体質に合わないものを口にすると起こる一般的な症状といえます。どちらにしても、ルイボスティーは効果が穏やかでほとんどの人に副作用が起こらない飲み物なので、過度に心配する必要はないでしょう。
「カルシウム」を過剰摂取すると?
カルシウムを過剰摂取すると、「高カルシウム血症」「高カルシウム尿症」「軟組織の石灰化」「泌尿器系結石」「前立腺がん」「鉄や亜鉛の吸収阻害」「便秘」などが発生する可能性が高まります。
普段の生活の中でカルシウムの過剰摂取が起こることは考えにくいですが、サプリメントを飲んでいる人は注意してくださいね。
「マグネシウム」を過剰摂取すると?
マグネシウムを過剰摂取すると、腎臓の機能が低下している場合には、負担が多くかかり「高マグネシウム血症」になる可能性が高まります。「下痢」「吐き気」「排泄時の痛み」「血圧低下」といった症状を引き起こすこともあります。
マグネシウムを取り過ぎても、通常は尿と一緒に排出されるので、過剰摂取になる可能性は低いです。ただ、サプリメントで大量にマグネシウムを摂取している人は注意しましょう。
「ナトリウム」を過剰摂取すると?
ナトリウムを過剰摂取すると、濃くなってしまったナトリウム濃度を薄めようと、身体が水分を取り込もうとしてしまいます。その結果、「血圧が上がる」「むくみ」といった症状が出てしまう可能性があります。ナトリウムを取り過ぎても、通常は体外へ排出されるので、心配しすぎる必要はありません。ただ、慢性的にナトリウムを取りすぎると、体内に蓄積してしまうことがあるので注意が必要です。
ナトリウムは日頃の食事で塩分を取り過ぎて、過剰摂取になっている人がいるかもしれません。そのため、ナトリウムの過剰摂取が心配な人は、薄味を心がける減塩調味料を使う、カリウムを摂取して塩分を排出しやすくするといったことを意識するようにしましょう。
「カリウム」を過剰摂取すると?
通常の食事でカリウムが不足したり過剰摂取したりすることは考えにくいです。
ただ、カリウムを過剰摂取すると、腎臓の機能が低下している場合には、「高カリウム血症」を引き起こす可能性があります。「高カリウム血症」を引き起こすと、筋収縮がうまくできなくなり、「四肢のしびれ」といった症状が現れることもあります。
「亜鉛」を過剰摂取すると?
亜鉛を過剰摂取すると、銅の吸収阻害が起こる可能性があります。銅の吸収阻害は「銅欠乏」につながり、「吐き気」「嘔吐腎障害」「免疫障害」「貧血」「腹痛」「HDLコレステロールの低下」といった症状を引き起こすことがあります。
加工食品に含まれる食品添加物などが亜鉛の吸収を妨げるため、過剰摂取よりも不足している人の方が多い成分でしょう。ただ、不足しがちという理由で亜鉛のサプリメントを飲んでいる人もいると思うので、サプリメントを飲んでいる人は過剰摂取にも注意するようにしてくださいね。
「銅」を過剰摂取すると?
銅の過剰摂取は、誤飲や遺伝性の病気を除いてほとんど起こることはありません。稀に、「吐き気」や「嘔吐」などが起こる可能性もあります。
まとめ
本記事では、ルイボスティーが生理痛に効果的な理由やルイボスティーの副作用について詳しく説明しました。ルイボスティーには生理痛を和らげる成分が豊富に含まれているので、生理痛がつらい人は、ぜひルイボスティーを生活の中に取り入れてみてくださいね。また、ルイボスティーは、ノンカフェインで副作用もほとんどの人には起きないので、安心して飲めますよ。
ただ、ルイボスティーは生理痛に効果的ですが、生理痛の原因として病気が隠れている場合もあるので、痛みがあまりにつらい人などは医師へ相談するようにしてくださいね。
本記事の監修者の紹介
本記事の監修者:河井恵美さん(助産師・看護師)
- 過去に大学病院・市民病院・個人医院に勤めた経験あり。現在はシンガポールの産婦人科クリニックで勤務。世界にいる親御さんを応援するため、「エミリオット助産院」をインターネット上で開設。